墨絵実験室4


さて、前回「墨絵実験室3」の続きです。
また持ち帰った和紙と、普段使っている和紙で今回は相撲の絵を描いてみました。

トップバッターは「大和」と言う名の紙。

全く滲まないわけでもなく全く掠れないわけでもない。
習字に使う半紙みたいです。
和紙の特徴を出しつつ書きづらいほど滲んだりかすんだりしていません。
紙が薄いので保存しにくいので作品作りには使わないかな。
絵は千代大海が琴欧州に裾払いをかけています。(size17×21)

次は芳野と言う紙。

吸い込みの良い紙でした。
表面がつるんとしているのであまり掠れず、
滲まずにすぐ吸い込むので薄墨の模様に筆致が残ります。
これもうまく使うといい効果になるかも。

次はユザワヤで買った「水墨画用」画仙紙

かなり滲みが早いので筆も速くなります。
ちなみに滲みは水が紙に広がるために送るので、薄墨ほど滲みやすく
濃くなれば濃くなるほどどんな紙でも滲まなくなります。
濃い墨と薄墨で違う表情を使い分けるとメリハリの利いた画面になりそう。
うまく使いこなせるかなぁ。
(size25×35)
面白そうなので半切(140×35)50枚購入しました。

これは少し前から使っている和紙、「黄山」。
なんて読むかは不明。

先の水墨の紙に似てるけど
比べて表面がつるんとしているのでさほど滲まずかすれず。
中墨の染み込み具合が気に入ってます。
昨晩仕上げた大正屋醤油さんのラベル絵に使用しました。
そこそこ水墨っぽい滲み方をします。
(size23×26)


さて、最後は楮紙。

(size34×37)
「へぇ〜、つばきから紙が作れるんだ」と思った方
楮はつばきではありません。「こうぞ」と読みます。
小野和紙店でこの紙をじっくり見ていたら「こうぞ紙をお探しですか?」
と聞かれ初めてその名を耳にしました。
吸い込みが悪いので筆を置きながら小休止をしても
滲みぼた(←なんじゃこの言葉)ができる事無く描けます。
薄墨を使ってもまっったく広がりません。
なので純粋に筆の技術だけで描けます。
私のスタイルに一番合っているのかも。
でもぼけた滲みもうまく使って描いてみたい。
だから夜な夜な実験を繰り返しているのです。

こうして描いて残すといい記録にもなりますね。
自分の中でも整理されるし。
ではまた次の実験室で。