水野俊介&稲葉美和
草木染め「うさとの服」New Year Live


おなじみ、5弦ベース奏者水野俊介さんのライブにお邪魔してきました。
今回は箏奏者の稲葉美和さんとの演奏です。
会場は草木染め・うさとの服のお店でした。


では、描いた順に紹介します。


 今回はスケッチでの筆慣らしもなくいきなり墨で。
 最近よく筆を使っているので。

 最初なのでゆっくりデッサンを取る事を意識して。
 で、やはり最近よく使う薄墨も入れてみました。
 机なしに、墨と水とを使い分けるのは
 なかなか至難の業。
 それでも慎重に描いたので
 落ち着いた絵になりました。

 ベースが実際より小さめでチェロに見えてしまう。
 水野さんが大きく見えたのでしょう
 
 墨の実線は細い面相筆で、
 薄墨は柔らかい彩色筆を使っています。


 2枚目はこの日の共演者、
 稲葉さん。

 この日は22弦、17弦、12弦と
 3種類の箏を用意していました。
 右に立てかけてあるのが
 用意した物です。

 とても澄んだ音色を聞かせて頂きました。

 絵的には上の水野さんと同じく
 デッサンを取るように。
 でももう2枚目なので少し線があれています。


 こんどは女性的な柔らかさを出すために
 薄墨だけで描いてみました。

 こんな手法は初めてですが
 結構予想通りに。
 
 この日の紙は日本橋・小津和紙店で買った
 綴りの画仙紙と
 桜木町・ゴールデン文具で買った水墨画帳。
 どちらも吸い込みが早い紙でした。
 もう少し溜まった方が薄墨の他の効果が
 出せたのでは、と思います。 

 筆は彩色筆一本で。

 今度は彩色筆で
 太く大胆に水野さんを。

 でもまだ細い筆ほど使い慣れてなくて
 思った通りの絵にはならず。

 でもこんな太い線で
 思い通りの絵が描けたら、
 また世界が広りそうです。


ここでライブも一休み。
絵描きも一休み。
およそ一曲で一枚のペース。
2曲にまたがるとポーズも雰囲気も
考えていることも変わってしまうので
できるだけ曲の頭から描き始めないと完成できない。

途中でひらめいて描きだしても未完に終わることが多い。



 また気持ちを新たにじっくりデッサン。
 2人を同時に入れる構図にしてみました。

 落ち着きすぎて顔がちょっと変。
 少しは勢いも必要です。

 やっぱ使い慣れた方が、と
 面相筆に逆戻り。
 薄墨を入れる気力が尽きてくる。



 彩色筆(絵描きは丸筆と呼んでみたい)で描いた
 稲葉さんが思いの外上手く描けたので
 同じ手法で水野さんも描いてみました。
 
 だがすでに思いつきだけで集中力の限界に。
 ライブが始まって40分kらいは経ったか。
 そこで筆よりも楽に描けるペンスケッチに。
 ペンはPentel Pulamanと言う
 ペン先が堅い筆状の物で線の強弱が
 付けやすい物。
 描いてすぐだと水に溶けやすいので
 乾かしてからでないと彩色は不可。

 手の指先に力が入りすぎ。

 素晴らしい演奏を前に一枚でも、と書き続ける。

 ついで水野さんをスケッチ。
 線のスケッチだとあまり感情を爆発させることなく
 冷静に描く事の方が多い。

 ちなみに紙はF4の何処にでもあるスケッチブック。
 更に疲れてまたペンを変える。
 PILOTの極細ペンシリーズ。
 このペンの登場は画期的だった。
 描いてすぐに水彩を施しても殆ど滲まない。
 インク溜まりも少なく大変重宝している。

 絵の方は殆ど感情なく形だけ取っている状態。
 形が崩れだしてとうとう力つきた。

 描くのを辞めて演奏に聴き入る。



 ところがラスト近くに演奏した新曲に
 また揺り起こされ再び墨で。

 もう余計な事を考える余裕もなく感じたままに
 筆を走らせる。
 このくらいの心境の方がいい絵が生まれることがある。

 今回は和紙だけで大きな紙は持ってこなかった。
 ちょっと残念。

 この絵に薄墨を少し入れても面白いかも。



 同じ調子で稲葉さんも描く。

 でもあまり大胆になれずに
 かすれで殆ど仕上げてある。

 太い線でえいやっ!と描くのにも
 体力がいるのである。
 ここからもう一筆描いたら名作が生まれる予感もするが
 演奏も体力もここで終了。

 でも沢山描けたので満足。
 


演奏時間、おおよそ1時間でした。
いつもながらお邪魔させていただきお二方、ありがとうございました。