タコ

今年の一月に新聞の書評である本を見かけました。
「タコの心身問題」

以前地球ドラマチックでタコの特集を見たときに(もう7年ほど前かな?)
それまでの認識を超えてタコの知能が高いことに驚き興味を持ち
2015年がってん寿司の中国店舗の壁紙を担当した時にタコを描く機会を与えられ「タコ、いいなぁ~~~、」の感触を長い間温めておりました。

そこで見かけた本、さっそく図書館で予約するも新聞で紹介されただけあって長い予約待ち
半年たってようやく手元に届きました。
本は、タコというよりもタコ以前の生物の進化、いつからタコは脊椎動物と袂を絶ったか。
にも拘わらず脊椎動物にみられるような知能の高さと感情を持つ様になったのはなぜなのか
世界中の研究者の報告と一緒に著者の推察と事例が書いてありました。

知識が増えるとがぜん、実物を見てみたくなります。
こども夏休みの予定を縫って葛西臨海水族園に行く予定を立て、明日行こう、というときに
知人から「タコ釣りに出かけて沢山とれたので…」と連絡が入りました。
タコを望んでいたらタコが来た!
生きたまま入手、とは行きませんでしたが
生体のタコが二匹、手に入りました。

あぁ、哺乳類と比して能力の高いと言われる生物、と勉強したのに
食物として扱わねばならないこのもの悲しさ…。
塩でもみながら巡りあわせに苦笑しましたが
自らの手で解剖、基、捌いた経験はのち絵を描く際に大いに役立ちました。

あくる日葛西水族園に赴き、真っ先にタコの水槽へ行くと
穴の中に入って動く気のない真蛸二匹。
さっさと見切りをつけてほかの水槽を子供と回り
2時間後に戻ると、、それでもまだ穴の中。
仕方なく長期戦に、きっと見えているはずだからと
目の前に陣取り、手で挑発、遊び、話かけ、、
その努力が実ったか40分後にようやくタコが泳ぐ姿を拝めました。

その後、2時半頃に餌が与えられ
さらに活発な様子をカメラに収めることが出来ました。

さて、カメラに収めて終わり、では収集癖だけで終わってしまいます。
撮った写真を一枚一枚分析、
連続写真をスケッチして
足の一本一本にどんな意思があり、どう行動しているのか
二日がかりで40点ほど描いて

何となしに足の動きを頭に入れた時点で
やっと描いた一枚がこちらです。


ちょっとタコの墨絵の可能性が見えたかな、と思っていますが
ではこの絵、何に使うの?と聞かれると
タコの挿絵も、飾りたいっていう人も少なそうだし。。。
海外でもウケは悪そうだし
あまり先の見えない分野ですが
また時間が取れたらタコ絵、描いてみたいと思います。

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